私は山口歴さんの”青色”が好きだ

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山口歴

1984年生まれ、東京都渋谷区出身。

2007年に渡米し、ニューヨーク・ブルックリンにアトリエを構え活躍する現代アーティスト山口歴(Meguru Yamaguchi)さんのアトリエにお邪魔させていただいた。

数々のファッションブランド、また企業とコラボし国内外問わず人気のある作家だ。

今回はブルックリンにある山口さんのアトリエへとお邪魔させていただいた。

アトリエへと入ると一面がアートやペイントで埋め尽くされ、

飛び散った色さえもアートとなっていた。

カットアンドペーストという表現方法で制作する山口さんの作品は色がパキッと印象的でみる人を一瞬で引き込む力を感じた。

私は山口さんの作品を見ていると、”固定概念とは?”を深く感じずにはいられなかった。

山口さんとたくさんお話させていただく中で、山口さんなりの葛藤、また信念やその中での活動やこれからの気持ちの揺れなどは、学生時代に東京藝大でピアニストを目指した私にも恐縮ながらとても共感できるものがあり、作品に伸びる無数の線の力強さは山口さんの人生の強さを表しているようにも感じた。

チームの良さ、また、個人の良さ。

それぞれの良さの重なり合いとタイミングはきっとこれからの山口さんの作品にさらに深みを与えていくのだろうと楽しみに思えた。

私は山口さんの”青色”が好きだ。

“青色”いう色は、晴れた空の色や海の色のような”青色”もあれば、悲しみを表す色としての”青色”もある。

起源前8世紀頃に活躍した古代ギリシャの詩人で ホメロスの名作「イリアス」や「オデュッセイア」に”青色”であろう色に”青色”という記述が一切出てこないことから、古代人には”青色”が見えてなかったのでは?との説がある。

しかし”青色”が見えてなかったのではなく、”青色”を表現する方法がなかったのでは無いだろうか。

海は本当に”青色”なのだろうか?

空は本当に”青色”なのだろうか?

そんなことを絶えず考えていた私にとって山口さんの”青色”を実際にみた時、その正解が少し分かった気がしてとても安心した。

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