txispa。それはバスク地方で生きる前田哲郎の1皿への想い

前田哲郎というバスク地方で生きる日本人をご存知でしょうか?
彼は世界中から愛され、「世界のベストレストラン50」にて何度もTop10にランクインしているトップレストランである”アサドール・エチェバリ”にてスーシェフを勤めていた日本人だ。
彼はエアロビクスのインストラクター、スキー・スノボのインストラクターなどを経て、2010年スペイン在住日本人との出会いをきっかけにバスク地方のレストラン「アラメダ」で働くため日本を離れ、2011年薪焼きの名店「アサドール・エチェバリ」での修業を直談判しスーシェフまで上り詰めたユニークな経歴の持ち主。
そして2023年5月、アサドール・エチェバリと同じ村の中にある築400年ほどの石造りの家に自分のレストラン「txispa」をオープンさせた。

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Contents

歴史と革新が織りなす美食の舞台

趣ある雰囲気の建物に入ると、まるで美術館の様な淡い陰影のある空間にセンスのいい壺がぽつんと置かれていた。
ここがエントランスになるようだ。

ゲストルームはイタリアのデザイナーズインテリアがセンス良く配置されていながら、ブリーズ・ソレイユによって中東文化へのリスペクトも感じられます。
全室プライベートバルコニーが付いており、ゆとりのあるシッティングエリアを備えています。

部屋からのぞむアラビア湾やビーチの景観は格別。
大型のバスタブが配された大理石が美しいバスルームには、もちろんブルガリのアメニティが揃えられていました。

txispaの秘められた味覚旅

txispaでの最初の一皿は温かいスープから始まる。

シシャというきのこのスープ。
余計な調味料を一切使わず塩ときのこのエキスだけで仕上げた優しい味わいのある1品。

色鮮やかな大皿。

だし巻き卵の上に味わい深い鳥節から右回りに、鰻は、鰻の骨で取ったソースの味がしっかりと感じられる。
生で食べれるシシャ(きのこ)はパリパリの生地と共に。
そして約1年仕込んだ自家製のアンチョビと、うさぎのミルクを煮詰めたほくほくのコロッケ。

キャビアと常温に戻したまぐろの絶品すぎる小さな一品。

昆布と共に火にかけたキャビアを蒸し焼きにし、隠し味にほうじ茶のジュレを。
是非食べて欲しい。

こちらの貝はカルネイロ。
クセのない山わさびと貝エキスのスープが絶品。

塩麹でマリネしたガリシア牛の牛タン。

ホップで作られたこだわりの自家製ソース。
ワラビのお浸しは牛タンから取ったたんばく質で。

遠めからゆっくりと火入れをすることで、甲殻類独特の美味しく焼けた匂いと脂を凝縮させた香り深き地中海で獲れるカラビネロというエビの一皿。

プリプリとした食感と甘さと香ばしさが絶妙。

スペインはサンセバスチャン近郊でしか採れない畑のキャビアとも呼ばれる涙豆。
生ハムを煮出した濃厚なお出汁と共にいただく、ぷちっとはじける食感の涙豆がとても美味しい。

涙豆、写真を撮り忘れてしまった…

去勢した牡牛の6歳、800キロほどあるアリシア牛を120日熟成させた一皿は香りと甘さを感じられた。
ほんのりと香る炭火の匂い。

この先きっと世界中の美食家の方々が哲郎氏の一皿を食べる為に、この自然豊かな場所に訪れる事になると感じた時間でした。
この景色でいただく一皿一皿は羨ましい程の環境だった。

スペインのバスクという土地で独立を決めた哲郎氏は、間違いなく日本が誇るべき料理人だろう。

Information

San Juan Auzoa, 45, 48291 Atxondo, Bizkaia

コースのみ 250ユーロ(ドリンク、税込)

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